マレーシアンもインターナショナルスクールに入学する傾向
マレーシアンもインターがお好き?!
2019年11月18日付けのマレーメール(Malaymail)というニュースサイトに
”Experts concerned as Malaysians outnumber foreigners in international schools”(インターナショナルスクールに通うマレーシアンが増加の懸念)
という記事が掲載されていました。
記事によると、マレーシアでは現在、
インターナショナルスクールに通う外国人が2万3千人なのに対し、
インターナショナルスクールに通うマレーシアンは4万5千人いるんですって。
ちょっとびっくりな数字かもしれませんが、当然と言えば当然かも。
マレーシアンとは、中華系やインド系マレーシアンもいますから。
どのインターナショナルスクールにも生粋のマレー人は少ないんですけど、
中国語を話す生徒、タミル語を話せる生徒は、た~くさんいます。
インターナショナルスクールに入学する理由
インターナショナルスクールに通うマレーシアンは、過去10年で450倍になっているって。
それもそのはず。
インターナショナルスクールは、今や160校以上マレーシアに乱立しています。
インターナショナルスクールの増加は国の施策でもあります。
教育大臣は「外国からの投資を誘致し、マレーシアを教育拠点として間接的に促進させる」って言ってる。
じゃ、なぜインターナショナルスクールに通うマレーシアンが増加しているのか?
マレーシアンの両親は、わが子に海外留学してほしいんですって。
インターナショナルスクールのカリキュラムは、完全海外大学向けですからねー。
マレーシアではいまだに「プミブトラ」という、マレー人優遇政策があります。
生粋のマレー人は大学入学枠も優遇されているそうですが、
そうでないマレー人(中華系・インド系)は優遇されません。
比較的所得の高い中華系・インド系マレー人なら、
公立より高額なインターナショナルスクールにも通えるだろうし、
マレーシアにある大学は狭き門ですから、フェアに頭脳で戦える海外の大学に行かせたいのかも。
マレーシアンのアイデンティティに危機が!
教育の専門家によると、この状況は不健全であるとのこと。
インターナショナルスクールで義務付けているマレー語と歴史の授業だけでは、
マレー人のアイデンティティを形成するのに不十分であり、
マレーシアの教育を受けないマレー人が増えていくことが不健全だと言っております。
どうやら、結果はインターナショナルスクールを増やす目的(=投資の誘致)とは違った方向に向かっているようです。
とはいえ、俄然インターナショナルスクールは財源を持っているので、公立学校とレベルの平準化も難しい。
なかなかしょっぱい問題なんですねぇ。